A.L.グプティル『ペンで描く』を一通り読み終えました。ペン画にかぎらず絵を描くこと全般について書かれた名著、という感想に変わりはありませんが、技法書というよりもむしろ解説書といった方が適切ですね。また、予想以上に作例の数と種類が豊富だったので、ペン画の作品集としても楽しめました。
私が持っているペン画の技法書としては『ストーリーを語るドローイングの秘訣』の方が実践的なので、2冊を合わせて読み返しつつ今後の練習方針を決めていこうと思っています。ペン画ではトーン(明度差)の変換が重要で、そういう練習も必要になってくるわけですが、いかんせん時間が足りない...。
続いて、11月分の落書き(B5ノートに朱藍鉛筆&ボールペン)から8枚をピックアップ。「練習」という名の安全地帯に引きこもらないため、毎日かならず見開き1枚分を落書きで埋める!...という、落書きを始めた当初の目的はどこへやら。現在ではアイデアスケッチの様相を呈しつつありますね。
ということで、落書き用ノート3冊目が終了。これはこれで気楽に描けて良いのですが、さすがに厳しくなってきた感じ。もう少しサイズが大きめで、もう少し厚みのある紙で、できればリング等で綴じられていて、そしてもちろん手頃な価格で...。そんなスケッチブック(あるいは代用品)はないか?
ところで、今月はこんな中古本も購入しました。著者はどちらもバーン・ホガース。「20世紀のミケランジェロ」という異名を持つ、アメリカの漫画家・イラストレーター・美術教育者・美術理論家とのこと。
"Dynamic Wrinkles and Drapery" は着衣のシワやヨレのでき方を分析した本。YouTubeに紹介動画があって、掲載されている作例(写真のトレースではなく手描きのオリジナルイラスト)に書き込まれた無数の矢印に興味を持ちました。1995年刊行の洋書。翻訳ツールを利用して少しずつ読んでいく予定。
『ダイナミック美術解剖』は「ハンプトン本」の参考文献リストに並んでいる1冊。8.75頭身で描かれた文字通りダイナミックな作例を見ると、なるほど「ハンプトン本」のベースになった本だなあ...と納得。人体デッサンや短縮法についても解説されている模様。原書の出版は1958年。日本語版は絶版。